スキンケア成分知識


ビタミンC

ビタミンCの主なはたらき

ビタミンC(アスコルビン酸)は、柑橘類、イチゴ、菜の花、赤ピーマンなどに多く含まれています。皮膚や腱、軟骨などの結合組織を構成する、コラーゲンというタンパク質の合成に不可欠なビタミンです。
このため、ビタミンCは皮膚や骨の健康を維持したり、傷を治したりするためには欠かせない成分です。

また人間は体内でビタミンCを生合成することができないため、必ず日々の食事から摂取しなければなりません。しかしビタミンCは壊れやすいことや代謝されやすいことなどから、本当に充分なビタミンCを食物から摂ろうとすると1日必要量の3倍もの量をとる必要があるといわれています。

また、ビタミンCは体内のあらゆるところに必要なビタミンなので、ほとんどが脳や肝臓などの臓器で使われてしまいます。さらに皮膚は面積が広いため、食事やサプリメントからでは、皮膚に充分な量のビタミンCを届けることはできません。
やはり肌には直接、ビタミンCを塗布することが一番効果的な方法です。


ビタミンCとビタミンC誘導体

肌にとって非常に大切なビタミンCですが、普通ビタミンCそのものは角質層のバリアを突破することができず、皮膚に浸透することができません。
また非常に不安定なため、化粧品に入れてもすぐに酸化されてしまい、「効果があるのに使えない」という研究者泣かせの成分でした。それを解決しようと生み出されたのが、ビタミンC誘導体です。

ビタミンC誘導体とは、ピュアなビタミンCを化学修飾することで、化粧品として使いやすくしたものです。
また肌への浸透も良く、中には油に溶けやすいものもあり、クリームなどのような油性の化粧品に配合することもできるようになりました。

しかし、誘導体にしたことで、もとのビタミンCの2~8倍という大きさになってしまいました。そのため、ビタミンC誘導体の濃度は実際のビタミンCの濃度に計算し直すとかなり低くなってしまいます。たとえば、

  • ピュアビタミンC10%の化粧品
  • ビタミンC誘導体10%の化粧品

の2つを比べると、ピュアビタミンC10%の化粧品の方が、たくさんのビタミンCが含まれていることになるのです。

化粧品表示名称 分子量 ビタミンC含有率
アスコルビン酸(ビタミンC) 176.12 (100%)
リン酸アスコルビル3Na(VC-PNa) 322.05 54.7%
リン酸アスコルビルMg(VC-PMg) 289.54 60.8%
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VC-IP) 1129.76 15.6%
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(APPS) 560.46 31.4%
*SciFinderのデータをもとに自社にて算出

さらに、美白効果を発揮するには誘導体の部分が切れてビタミンCに戻る必要があります。そのためせっかく肌に浸透しても、充分な効果を発揮できないということも多くあります。

ビタミンC誘導体は、徐々に分解されてビタミンCになります

ビタミンCの美肌効果

ビタミンCにはたくさんの肌に対する効果があります。

  • メラニン色素の合成を抑制し、できてしまったメラニン色素を薄くします。

    シミやニキビ跡の色素沈着を目立たなくし、色素沈着のしにくい肌へ。
  • コラーゲンの生成を助けます。

    肌のハリを保ち、内側からピンとした弾力のある肌づくりを助けます。
    お肌を内側からなめらかに整えていきます。
  • 抗酸化作用があります。

    活性酸素を防ぐことで、老化やトラブルから、肌を守ります。
  • 肌の新陳代謝を整えます。

    肌のターンオーバーを正常化し、くすみのない明るい肌色へと導きます。

このように、美肌にとって嬉しい効果がたくさんあります。毎日の食事からはもちろん、スキンケアにも取り入れて、健康で透明感のある美しい肌を手に入れたいですね。